自己紹介

 

 

はじめまして、大塚麻由と申します。

 

本日は、私の自己紹介を

させていただきます。

 

 

 

かなり長くなりますが

お読みいただければ幸いです◎

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

はじめに

 

 

私は、精肉店で働いていた父と

専業主婦である母との間に

ひとりっ子として生まれました。

 

 

幼いころから絵を描くことや

本を読むことが好きな子どもでしたが

おっとりした性格の反面

こうと決めたら譲らない

頑固な部分もあったようです。

 

 

 

我が家では昔から

猫や小鳥を飼っていて

動物好きだった私の夢は

獣医になることでした。

 

 

小学6年生のあるとき

担任の先生に、そのことを

打ち明けたのですが

 

 

先生からは笑顔で

 

「あなたが獣医になったら

手術のときに血を見て

“キャーッ”とか言い出しそう(笑)

向いてないんじゃない?」

 

と、言われてしまい…

 

私は心の底から恥ずかしく

悲しい気持ちになったことを

今でも覚えています。

 

 

当時の私にとって

神様にも等しかった

先生からのその言葉は

自分の夢を砕くには

充分なものでした。

 

 

 

「生き物の命を守る」

 

そんな夢を失った私は

生命というものについて

深く考えることになります。

 

 

そして、考えれば考えるほど

他の命を犠牲にして生きることも

自分が消えてなくなることも

恐ろしいと感じられ

 

「命とはなにか」と

 

子どもながらに

思いつめるようになりました。

 

 

あれほど好きだったお肉も

喉を通らなくなり

革製品を持つこともできない。

 

 

そんな日々が

何年もつづきました。

 

 

 

思春期の私は

本を沢山読みました。

 

 

しかし

宗教書や哲学書に

「それらしいこと」はあっても

心から納得できる答えは

見つかりませんでした。

 

 

あたりまえの

「普通の生活」は

私にとって苦しいものと

なっていくばかりの日々。

 

 

そんななか唯一

1人で絵を描いたり

何かを作ったりする時間だけが

自分の心をほんの少し落ち着かせ

“今、ここ” にいられる手段と

なっていきます。

 

 

 

高校3年生のとき

父の仕事がうまくいかなくなり

両親が離婚。

 

 

母と二人暮らしになった私は

大学進学をあきらめ

アルバイトのかたわら

忙しい母に代わって

家事をして過ごすことになります。

 

 

表向きはごく普通でしたが

心の中は子ども時代を引きずったままで

人とうちとけることが苦手でした。

 

 

 

そんな生活が23歳までつづいた、ある日

様々なガラスの技法を紹介する

テレビ番組に出会います。

 

 

それまでガラスと言えば

透明できらびやかなもの

というイメージでしたが

 

 

そこで紹介されていた

曇ったガラスの塊の

内側にこもる光を見た瞬間…

 

 

心に、ひとつの答えが浮かんだのです。

 

 

 

 

「いま目にしているものは全て

いつかは壊れ、失われてゆく。

 

けれど同時に

そんな未来を抱えながらも

今、ここに存在しているという強さも

兼ね備えているのだと思う。

 

それは “ 存在 ”というものがもつ

何よりも美しい光なんじゃないか。

 

 

そしてその光こそ

私が大切にしたい

生命の光そのものではないのか 」と。

 

 

 

他の命を犠牲にすることでしか

自分の命をつなげられないのであれば

 

せめて自分にできるやり方で

この美しい光を

目に見えるものとして表現したい…

 

 

そう思った瞬間でした。

 

 

 

それから会社に就職をして

ガラス教室に通いはじめた私は

漠然と「作家になる」という夢を

抱くようになります。

 

 

しかし、就職をして

家計の支えにもなっていたため

母に自分の想いを伝えることは

できないままでした。

 

 

ようやくその想いを言葉にできたのは29歳。

会社で働きはじめてから、5年後のことです。

 

 

 

私は社会人入試を経て、美大に入学しました。

 

 

哲学や心理学・芸術学など

大人になってから学ぶ時間は

夢のように楽しいものでした。

 

 

そしてなにより

 

「自分の思いをカタチとして

創造すること」を

 

存分に学べる環境。

 

それは

周囲に心を打ち明けられなかった

あの頃の自分に

ようやく提供できた

「心の居場所」でもありました。

 

 

 

「工芸=用の美」という

本来の考え方があります。

 

それは、道具が持つ機能性から

導き出された、飾らない美しさを

指す言葉だと理解しています。

 

その美が、人々の暮らしと心を豊かにする。

 

 

 そうであるならば

 

自らの考えを形にすること

それが、ひとりよがりではなく

誰かの心に響くことであり

その人の心を豊かにするものであるならば

 

それは

 

「心の用の美」として

 

人にとって必要なものになり得る

ということも

大切な気づきとなりました。

 

 

 

私がガラスのオブジェをつくる理由には

そのような想いがあります。

 

 

 

私の手が生み出すものたちが

見てくださる人の

心を満たすものとなりますように。

 

 

そんな願いをこめて

今日も制作をしています。

 

 

どうぞ宜しくお願いいたします。

 

  

 

大塚麻由